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14 mai 2010

神経心理学演習10-8

明石さん担当。

ウィリアムズ症候群,社会行動,扁桃体。

Individual differences in social behavior predict amygdala response
to fearful facial expressions in Williams syndrome

(ウィリアムズ症候群における,社会行動の個人差は恐怖表情に対する扁桃体の反応を予測する)


...そういう結果です。

ウィリアムズ症候群の人々の行動特性として,
 過度に社交的・感情的・共感的・開放的・こわいもの知らず
というのがあり,これらは扁桃体の機能が関わる可能性がある。

そこで,恐怖表情・幸福表情・中性表情・(スクランブル)を提示したときの
扁桃体の活動について,以下の3つのモデルのどれが妥当かを検証した。
A:indiscriminate sociabilityモデル=表情がどうであれ,表情刺激提示下では扁桃体が反応。
B:emotional and empathic sociability=恐怖表情・幸福表情に反応。中性表情では反応しない。
C:social fearlessness=恐怖表情では反応する。幸福・中性表情では反応しない。

社会行動はSSIQと呼ばれる質問紙で。
「全体的社交性」
「社会的接近(親しい相手への)」「社会的接近(見知らぬ他人への)」
「感情的・共感的社交性」
得点が出てくる。

event-relatedなfMRIデザイン。
なお課題は「男性か女性か判断してボタン押し」であり,implicitな扁桃体の反応をみる。
ROIは扁桃体限定。

モデルに沿った回帰分析を行うと,
AとBは棄却され,Cに沿う結果。
「社会的接近(見知らぬ他人への)」得点と,扁桃体の反応(恐怖表情-中性表情)が
負の有意な相関(r=-.89)。


 *


検証すべきモデルが3つ排他的に並べられているので結果も大変スマートに見える。


 *


「過度に共感的」なのは望ましくないってことだよねぇ~ 

Behavioral measuresの正答率が72.16%なんだけど。男女判断だよね??
→ふたつの可能性
  (1)区別しにくい人物が存在した;
  (2)全般に衝動的にボタン押しちゃう(おてつきしやすい)傾向。

この結果は,ウィリアムズ症候群に特異的かどうかはわからない。
→健常者でもSSIQの得点にはばらつきが生じるであろうから,
 それでみてみないことには。

「右は構造(先行研究の結果),左は機能(今回の結果)」っていうのは
本当に今後検証されるべき「仮説」なんだろうか。

実験参加者12名中8名が右利き→左利き率が多いの?


 *


今期のみなさまは質疑が活発でけっこう!

第2クール(後半戦)の担当日・担当時間決めをした。恒例のあみだくじにより。

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