神経心理学演習10-18
小川さん担当。
本日の「ビジュアル系」その2。
両手でpointing。有名な"症例D.F."
Milner & Goodaleの研究で有名なD.F.さん,what vs. how のtwo visual system話。
allocentric☆とegocentric(自己中心座標系) ☆:これの日本語化困難
3~5個のターゲットが布置されている空間(21cm×21cm)と,
その右隣に同じサイズの,しかしターゲットが布置されていない空間を用意する。
前者の,ターゲットへの直接的な("direct")ポインティングはegocentricallyに,
後者の,ターゲットがそこにあるかのように行うポインティング("pantomime")はallocentricallyに
行われる?!という先行研究があるが,そこでは一側手を使っていたのであった。
この研究ではそれを,両手それぞれが別々のターゲットをポインティングする課題で検討する。
→左右右手人差し指にIREDを装着。それで指の軌道を計測する。
比較対照は健常者2名。
結果。
・終着点での位置の誤り:直接ポインティングでは有意差なし。
パントマイムポインティングでは位置の誤りが有意に大きい。
・二指間の角度・距離:実際のターゲット二点間の角度・距離とのズレを検討。
「方向(角度)」エラーは差なし。距離エラーはD.F.の方が長い。
・到達までの時間。
左右手間に有意差なし(=ほぼ同時に到達していて,「順番に」行っているわけではない)
*
両手のポインティング,という研究はたしかに珍しい。
pantomimeポインティングは面白い。
allocentricな処理の障害が示された,ことになる。
とはいえこの,allocentric/egocentricの違いは教わらないとわかりにくい;
その場でお伝えしてみた。
先行研究(ていうか症例D.F.)のことを知らないと,
読みとくのはちょっと難しいかったかな。
しかし,あれこれ「頭で」こういうことかなと考えながら読むのは楽しいだろう。
*
その後都合があったので,無理いって早く始めてもらい早めに終了。
諸君の能力を褒めたたえつつ,
今年度の神経心理学演習はこれにて終了。1学期開設の科目なので。
おつかれさまでした。
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