100627[mz3]魅力的な女性を見ることで自分の

....気分や「自分の魅力度」評価がどうなるかは，

社会的比較指向に左右される。

100627[mz3]-1 social comparison orientation; attractiveness; self-evaluation
Why some women can feel more, and others less, attractive
after exposure to attractive targets:
The role of social comparison orientation

女子大学生を参加者とする実験的スタディ。

そういうのは，
社会的比較指向（social comparison orientation; SCO）に左右されるのではないだろうか。
社会的比較指向は，他の子と自分を比べる頻度やそういうことをする傾向，しやすさを指す。
11項目の尺度が既にある。

社会的比較に関するモデルがふたつあげられている。
1) Selective Accessibility Model(SAM)→社会的比較とは「類同性」を探すこと。
2) Interpretation Comparison Model(ICM)→SCOが高いと「同化」に，低いと「比較（対比）」。
いずれのモデルに従っても，
SCOが高いと，「類同」するゆえ，
魅力的な他者を見ると，気分も向上して自己の魅力度評定も高くなり，
（そうでもない他者を見ると，気分もネガティブに自己の魅力度評定も低くなる）
という予測。
（※SCOが低い人の場合の予測は，1)と2)で異なるだろう。）

結果は予測通り，
参加者のSCO（高低）　×　ターゲットの魅力度（高低）　の分析で，
　高SCO者は，
　・魅力的な女性を見ることで，
　　ポジティブ気分が高く，かつ自己の魅力度評定値も高い。
　・そうでもない女性を見ることで，
　　気分の値が低く，自己の魅力度評定も低い。
　低SCO者は，その逆で，
　・魅力的な女性を見ることで，
　　ポジティブ気分が低く，かつ自己の魅力度評定値も低い。
　・そうでもない女性を見ることで，
　　気分の値が高く，自己の魅力度評定も高い。
※かなり麗しい感じの，バッテン型の交互作用的グラフ。

→実生活上への示唆，を論文とは関係なく書いておきますと（笑）
　SCOが高い女性は，積極的に魅力的な女性と自分を比べましょう。
　あまり比較しない女性は，むしろそうでもない女性と自分を比べましょう。
　...気分と，自分の魅力度の自己評価を下げないためには。

　＊

面白いと思うんだけど，
たぶん「自尊感情」の高低がどこかに絡んでいそうだよね。
自尊感情が低いと，SCOも低そうな気がするし，
自尊感情の高低で，「上方比較」「下方比較」傾向も変わりそうだし。
もちろん，気分や魅力度の自己評価のベースラインも違ってくるでしょう；主効果的に。

あの「劣等感の研究」と結びつくとしたら
どう結びつけられるだろうか，などを考えてしまいました。

　＊

この研究では，海外の論文にしては珍しく（と私は思うのですが）
交互作用が有意　→　の後に，"simple main effect"の分析が記載されている。
ん，でも regression analyses とか書かれているなあ...