"romantic rejection"脳 (「未練」 とでもいうべきか)
先日ちょろっと紹介しました
これ。
需要が高そうなんで全文読みました,珍しく。
○ 被験者
10名の女性,5名の男性。
募集には"Have you just been rejected in love but can't let go?"という文句。
破局前のおつきあい期間は平均21ヶ月(4-48ヶ月),
rejectionからの期間は,平均63日(1週-32週)。
その相手に対するPassionate Love Scale(PLS)は1-9のスケールで8.0±0.6。
...まだ相当好きなまま。
○ 刺激
その相手(rejecter)の写真。統制 neutral は相手と同性で同年代の親しい人。
○ 手続き
写真を見て,rejecterとの間にあった様々な出来事を想起する(ポジティブのもネガティブのも)。
neutralでは,ニュートラルな出来事を。
○ 結果
あちこちactivateしたりdeactivateするけれど,仮説-考察の順番に。
1)動機づけや報酬に関連する腹側被蓋野(VTA)や線条体,そして角回の賦活。
・そういった中脳系のところだけじゃなく,forebrain regionsも;both gains and losses。
・PLSの値と有意な正の相関とか。
2)渇望(craving)や嗜癖(addiction)などに関わる側坐核やOFCなどの賦活。
3)情動制御領域の賦活。
4)心の痛みや悲しみに関連する島領域の賦活。
*)予測はしていなかったけど,愛着やpair-bondingに関わるあたりも。考察にあり。
★おつきあい期間の長さと有意な相関を示す脳領域はない。
別れてからの期間が長いほど,
腹側被殻/淡蒼球の活動が低い→愛着関連。
逆に,右前部帯状回の活動が高い→渇望関連(先行研究では,コカイン渇望)。
*
○ 途中で何度か対比している,happy-in-loveの先行研究は こちら
※これもフリーでpdfで読むことができます;
J. Neurophysiol. ってけっこうお堅い雑誌イメージなんですが,続きものなんですね
○ 失恋系イメージング研究としてはこれが「ふたつめ」とされていて,
ひとつめのスタディは
こちら (写真はなくあれこれ考えて悲嘆するらしい)
だそうです。
*
ポジティブ感情とネガティブ感情が同時に渦巻いているし,
それをなんとかしようと試みているのだけれど,でも。
それでもまだきみのことを愛している。
そしてつらい。
そんな心の状態はもちろん,
脳活動状態にもあれやこれや反映されていると。
「 01. BRAIN 【脳】」カテゴリの記事
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-08(2012.05.15)
「 03. ARTICLES 【篇】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
「 03XY. MEN-and/or-WOMEN 【男女】」カテゴリの記事
- 120506[mz3] そういうWebサイトのプロフィール画像で赤い服の女性は…(2012.05.06)
- 120331[mz3] "Hungry for love"(2012.03.31)
- 120331[mz3] なぜ赤いシャツの女性は…(2012.03.31)
- 120226[mz3] J. Exp. Soc. Psychol. 48-2(2012.02.26)
- 111128[mz3] "romantic revenge"(2011.11.28)
L'utilisation des commentaires est désactivée pour cette note.
Commentaires