101105[y][bx1]摂食障害で意思決定(IGT)の障害はありません
見事なほどに,全然。
101105[y][bx1]-1 eating disorders; AN; BN; IGT
Is decision making really impaired in eating disorders?
患者群と対象群の間にIGTのパフォーマンスの有意差もなければ
(100回トータルのnet scoreでも,20回ずつ区切りのどの区切りのnet scoreでも),
相関をみても,EDI-2/EAT-40といった摂食障害質問紙の得点やBMIと
IGTのnet scoreも有意な相関を示さない。
おまけに,IGTに関する知識の有無もパフォーマンスに影響を及ぼさなかったらしい。
こんなに n.s. ばかりの結果の論文は久しぶりに見た気がする。
(もちろん,先行研究において摂食障害で意思決定の低下がみられるとするものが
いくつかあるから論文として成立するわけです)
*
そういう結果でありながら。
結論には。
In conclusion, the results of the current study suggest normal
decision-making abilities in euthymic and nonmedicated patients
with EDs. Further studies on this subject are required to reach a
conclusion. More broadly, neuropsychological studies constitute
an interesting field of investigation for understanding psychiatric
disorders. Additional studies investigating executive functions in
EDs are needed to obtain a greater understanding of the pathophysiology
of EDs and thus help in improving therapeutics.
...(太字部分)そうあえて書いてあるのもまためずらし。
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Commentaires
統計的検定の性質上、有意差が「ない」というデータで議論を進めるのは難しそうな気がするのですが、
この著者らはどういう風にその辺をクリアしてるんでしょうか?(十分に大きな被験者数で検討している?)
厳密には、 有意差がない≠差がない ですよね?
Rédigé par: kob | 06 nov. 2010 11:46
> (十分に大きな被験者数で検討している?)
先行研究に比べれば十分な数で,と考えられたようです。
> 厳密には、 有意差がない≠差がない ですよね?
「摂食障害で意思決定(IGT)の障害があるとはいえない」
という記事タイトルにせよ,ということでしょうか?
Rédigé par: mochi | 06 nov. 2010 14:51
>「摂食障害で意思決定(IGT)の障害があるとはいえない」
>という記事タイトルにせよ,ということでしょうか?
いえいえ。タイトルにも元論文にも異論はないです。語弊があったらすいません・・・。以前僕も「有意差なし」というデータで投稿した際に難渋した経験があったもので、何かコツやよい工夫やあるものかと思ったんです。
ただ僕の論文の場合は一例検討だったのが、この研究とは大きな違いであるように思いました。
Rédigé par: kob | 07 nov. 2010 01:05