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11 nov. 2010

「書かれていないこと」

博士論文予備審査会にて副査をしました。

T反応。

これまでいくつもの博士学位論文の副査を勤めてきましたが,
常に,書かれていることのどこかには学術的・論理的観点から
意見~いちゃもんを述べることがありました。
こちらも真剣勝負ですから。
そういう余地は,通常どうしても残るものです。


今回はしかしながら,書かれていることに
上のような観点から意見を述べる余地はただのひとつもありませんでした。
それくらい明快な論旨であり,書きっぷりでした。
まず,無駄がなく隙がない。周到。


それでむしろ,
「書かれていないこと」について意見を述べた次第です。

立てられた仮説が支持されたか支持されなかったか,
というスタイルでの研究は王道だと思う。
しかしながら,
仮説Aと仮説Bのどちらがよりもっともらしいか
(アブダクション,ですね)
という持って行き方もあるだろうと。

ふたつあった仮説をそれぞれ仮説検証するお仕事であったが,
結論としてふたつめの仮説が,統計的には支持だが弱い,と彼は言う。
こういった問い方をする限り,終わりがない。
決着はいつまでもつかない。
そんな気がする。
もったいない。


 *


心理検査に詳しくない心理学者であれば当然疑問に思い
専門家である彼らに問うであろう,
ロールシャッハ反応と解釈のあいだ,
に関する謎の一端が解き明かされたのです。
めでたいことだ。


 *


パワポの総合的考察に「互恵的発展」と
ありましたが,互恵的発展ではなく,
「戦略的互恵関係」だとは思っている。

少なくとも今はまだ,一方向的であるという感想もある(その場でも申し上げましたが)。

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