10神経心理学-06
赤いBITのケースを持ってさっそうと登場。
USNメカニズムの話,ついで「身体」認知あれこれ。
BITを教室に持って行って説明する。
半側空間無視のメカニズム。
「方向性注意」説(右半球は左右空間,左半球は右空間ってやつ)がわかりやすいらしい。
「方向性運動減少」説は難しい
(いつも自分でもグラフをうまく説明できない...!いつも通りだ)
「表象」説は興味もたれますし,(学内の建物配置をイメージしてもらって)実演もできる。
今年度は少々,
「どうやって左に注意を向かせられるか」を補充した。
プリズム眼鏡に関心が高かった様子。
*
残りの時間は,身体認知関連。
(この時間は,見せるスライドがあまりないのだが...少し補充しないとね)
身体図式障害(身体部位失認・手指失認・左右識別障害・「ゲルストマン症候群」)
と
身体意識(病態失認~あれこれ,身体パラフレニア,幻肢関連)
と
身体不使用(運動無視など)。
授業中回し読みは
『脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ』
...残念ながらうまくいかないのは,大学の図書館には入っていない,ということw
*
身体系コメント。
・ 左右の識別は,当然ながら実感を伴う話なのでコメントが多かった。
・ 「手指失認は足の指でやると想像しやすかった」
→ なるほど!!! 次年度はそれでいこう。
(しかし誰かに被験者役になってもらうとして私が検査者役をして。やっても大丈夫だろうか)
・ 「片麻痺に対して無関心・無認知・否認は他の失認(視覚とか)では起こらないんですか?」
→ アントン症候群(授業で説明した)
・ 「人格化personificationて名がつくほど多くの人が人格化しているのがすごいと思いました」
→ 身体の一部であることは理解していて,でも自己所属感がないのだから,
説明のしかたとしては合理的なのかもしれない。
・ 「余剰幻視」的に「しっぽがある」と言うケースとかないんですか? → たぶん,ない。
ベストコメント賞をさしあげる(授業に関連して↓)
・ 「手指失認・左右識別障害・失書・失計算はたしかに近接した脳部位の損傷によって
起こるようですが,これら4つの症状をわざわざまとめてGerstmann症候群と呼ぶ
必要はあるのでしょうか。」
→ 本質的な質問すぎますね。
まさにそれが「ゲルストマン症候群はあるかないか」論争の本質かと。
どうぞ,この研究領域にお越し下さい。
こちらにも,コメント賞をさしあげる(考えさせられた)
・ 「先生の授業の後には,必ずといっていいほどコーヒーが飲みたくなります。
別に眠いわけでもないのに。なぜでしょう。」カフェラテを買うんだそうで。
→ 解釈A:頭を使ったので何か飲み物で補給したくなる。
解釈B:眠いぞコラー!!の婉曲表現。ほのめかし。
解釈C:眠いということを意識では無認知・否認しているが,
無意識というか潜在意識としては眠い
(~病態失認の話に絡ませる高級なコメント?!)
★ これだとするとそうとう冴えている。
*
あと。
人格化の話で私の左腕を例として「あのように名付けました」が,
あくまでも例えばでして。
ほんとにそのような症状が出現したとしたら別の名前で呼ぶでしょうねぇ~
(と思いつつ言わない/言えない)
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