110319[bx1]「共通の土台」と扁桃体
両側扁桃体損傷では,
相手とのコミュニケーションの「共通の土台」を形成・使用することが困難である。
110319[bx1]-1 amygdala; common ground; social interaction
Bilateral amygdala damage impairs the acquisition and use of common ground in social interaction.
こちらにあるタングラムの状態をを,
隣にいる知人パートナーに「口頭で」伝えて同じ物を作ってもらう,という実験状況
(手元はパーティションで隠すのでタングラムそのものは見えないが,お互いの顔は見える)。
実験参加者は,有名な両側扁桃体損傷患者SMさん。
相手が課題を達成するまでに要する時間や,
伝える言葉の数やその内容,
相手の顔をどれくらい見たか,
相手がタングラムのどこを見ているかに言及した言葉の比率
などの分析から,
→健常対照群と比較して,
perspective-takingの障害というか,"theory-of-mind"の欠如
(が使う言語や行動に現れる)という特徴があぶりだされた。
すなわち,「共通の土台」を形成し使用する能力の障害がみられる,とのこと。
*
興味深い実験ですね。あまり見かけない。collaborative interactionというところ。
この,"タングラム伝言ゲーム"的な(?)課題は,
同じTranelやDuffのグループが,
健忘症患者を対象にした研究を発表しているようです
( これ とか これ とか)
他の部位の損傷群や他の疾患群などで検討しないと,
「共通の土台」形成能力=扁桃体,とまではいえない(はず)と思うが,
(関わっている,とはいえるけど)
脳損傷患者に限らず,精神疾患群とか,発達とか,
とにかく応用範囲が広そうだなという印象。
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