神経心理学演習11-12
(持続性注意の障害と実行機能障害:
双極性障害特異的/抑うつ特異的なマーカー)
双極性障害に特異的な指標(1)と
双極性/単極性「うつ」に特異的な指標があるかどうか(2)を,
双極性寛解群 vs. 双極性うつ群 vs. 単極性うつ群 vs. 健常対照群 の4群に対し,
持続性注意課題(RVP:rapod visual processing),
実行機能課題(SOC: Stockings of Cambridge),
短期記憶課題(DMS: delayed matching to sample)課題を施行してパフォーマンスを比較検討。
(※いずれもCANTAB課題 こちらのサイト (音注意)でデモをご覧いただいた)
まず,RVPの「ヒット」と,SOCの4回条件(NM4M)のみグループの主効果がみられた。
(RVPのフォールスアラームや反応時間,SOCの3と5,そしてDMSでは有意ではない)
双極性寛解群/双極性うつ群/健常対照群の比較では,
RVP: 双極性うつ群<双極性寛解群<健常対照群 (1)
SOC(NM4M): 双極性うつ群>双極性寛解群=健常対照群
双極性うつ群/単極性うつ群/健常対照群の比較では,
RVP: 双極性うつ群<健常対照群,単局性うつ群=健常対照群
SOC(NM4M): 双極性うつ群<健常対照群,単局性うつ群<健常対照群 (2)
(なお,投薬状況との関係も検討されている。)
ということで,この研究からは,
(1)双極性障害に特異的な指標は 持続性注意の障害(RVPのヒット数)
(2)「うつ」に特異的な指標は 実行機能(SOC-NM4Mのmove数)
Discussionの"limitations"の記述が多くて...
*
「双極性障害」に関するあれこれの質問を受けた。うまく答えられないものも。
関心が高いようです。
結果を見て,次のように私は考えていた。
(1)は「今現在」のコントロール(集中)関連。
(2)は「将来」...は言い過ぎなので「先を読むこと」関連。
「 01. BRAIN 【脳】」カテゴリの記事
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-08(2012.05.15)
「 04. NOTES-as-LECTURER 【講】」カテゴリの記事
- 心理学II(パーソナリティ)12-0(2012.07.25)
- フレセミ12_10(2012.06.21)
- フレセミ12_09(2012.06.14)
- フレセミ12_08(2012.06.07)
- 12特論XII/特講III-7(2012.06.01)
「 03. ARTICLES 【篇】」カテゴリの記事
- 120724[mz1] Cogn. Ther. Res. 36-4(2012.07.24)
- 神経心理学演習12-10(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-9(2012.05.22)
- 神経心理学演習12-6(2012.05.08)
- 神経心理学演習12-5(2012.05.08)
Commentaires