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26 mars 2012

「人間の存在はなんという螺旋であることか!」

バシュラール『空間の詩学』を読みました。

1箇所だけ,長めの引用をしておこう。


 *


この螺旋のなかではなんと活力が渦まいていることか!
中心にむかっているのか、それとも逃走しているのか、もはやすぐにはわからない。

このように外からみれば、しっかりとつつまれた中心のようにみえる螺旋存在も、
けっしてその中心に到達することはないだろう。人間の存在は不安定な存在である。
一切の表現がその存在の定着をさまたげる。

幾何学的直観に固有な、直証の特権にたいしては警戒しなければならない。
視覚は一時にあまりにも多くをかたりすぎる。
存在は自己をみない。おそらく自己の声をきくだけだ。
存在はその輪郭を明らかにしない。それは無によって縁どられていない。
ひとが存在の中心に近づくとき、その存在をみいだせるか、あるいは
確固としたその存在をふたたびみいだせるか、自信がもてない。
そして決定しようとおもう対象が人間の存在であるときには、
自己の内部に「はいり」、螺旋の中心にむかってすすみながら、
自己に近づいているのかどうか自信がもてない。
すなわち、多くのばあい、存在はその中心において彷徨なのである。
ときとして存在は自己のそとにあるときに、堅固さをたしかめることもある。
またときに外部に監禁されているともいえよう。


(pp. 359-361)

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